レクチャー– セルフマネジメントの理論編 –

セルフマネジメントのスキルは、松尾正二郎氏の提案した手帳術に基づき構成されています。

自分の能力を信じて取り組むことで、自分自身の力を引き出していくことができる独自のメソッドです。

松尾式手帳術の3つの効果

この手帳術を使うことで、以下の3つの効果が期待されます。

1.一度にさまざまなことに取り組んでも、納得した結果を得ることができる

複数の同時進行で取り組む仕事で、目標を達成することが可能になります。

マルチタスクは散漫になりがちですが、慣れてくれば1つでなく、2つ、3つ・・・と、

いくつかのテーマを同時に設定して取り組むことが可能です。

2.PDCAを意識した行動が身につく

計画を立て、実行した後でさまざまな気づきを得られます。

1週間の行動と結果を振り返り、計画や行動を再度検討することで、

次にすべきことが見えてきます。

3.今の行動に自身を持って集中できるようになる

自分が何をしたいのか、どうありたいのか、何を大切にすべきなのかが明確になります。

だから迷いなく、今の行動に集中することができます。

「セルフマネジメント」とは

松尾式手帳術では、「成果に向かうために必要な日々の行動を自ら仮説を立て、実行し、検証していく」という「セルフマネジメント」の概念を主軸に置いています。

誰かが決めたことをやるのではなく、自分で自分の能力を高めていくという点がポイントです。

「セルフマネジメント」は、下の図のように、目的管理、タイムマネジメント、優先順位、マルチタスク管理の4つの項目で成り立っています。

セルフマネジメントスキルの構成
目標管理

目標を具体的に設定し、その道筋を考えるスキルです。トライして、修正していくというPDCAを回していくことも大切です。

タイムマネジメント

忙しい日々の中で、時間をどう使うかを考え、行動します。

優先順位

長期的な目標を含めた自分の中の優先順位を作ります。

マルチタスク管理

項目を分解し、週や1日に割り振ることで、様々な仕事や家庭の両立をはかります。

しかし、皆さんもお分かりの通り、

自身を律することは簡単に聞こえてとても難しいことです。

「易き(やすき)に流れる」と言うように、

ついつい決めたことをやらずに楽をしてしまったり、ついには目標自体を忘れてしまったりすることもあります。

そこで、実現が難しかったり、複雑な事象を整理し、一つずつ進行していくために、

考え出されたセルフマネジメントツールが、松尾式手帳術なのです。

それでは、以下からセルフマネジメントスキルを構成する要素を4つ解説していきます。

目標管理

はじめに、「計画を立てて取りかかる」という基本的な生活習慣が必要です。
これは、何よりもまず一番先に求められるものです。

あえて「習慣」と表現するには意味があります。

つまり「計画を立てて取りかかる」ことを、例えば歯を磨いたり、お風呂に入ったり、
毎日コンビニエンスストアに立ち寄ったりするといった習慣と同じ次元でとらえていただきたいのです。
習慣ですから、当然「やる気」とか「能力」とは関係のないものです。

しかし、「計画を立てて取りかかる」といっても簡単そうに見えてなかなかうまくいくものではありません。計画を立ててもなかなかその通りに実行できるものではありません。誰しも経験がありますが、いとも簡単に計画倒れに終わってしまいます。

なぜ計画通りに実行できないのでしょうか。
それは、毎日のスケジュールの中に、自分が実行可能なアクションとして計画が組み込めていないからです。

ただ計画を立てるだけでは、緊急の仕事、苦情対応などに対処できません。計画実行を妨げる障害が次から次へと発生することで、計画の進行をコントロールできなくなってしまうからです。結果として本来の自分の能力を発揮しきれずにただ忙しいだけの日々を過ごしてしまうのです。

大切なことは、実行を妨げる要因と対策を理解した上で「実行できる計画」を立てられることです。

時は、あっという間にたってしまいます。「いつかやるんだ」、「そのうち取りかかるさ」と思っているだけでは少しも成果には近づいていないのです。だからこそ、日常の中に、「計画を立てて取りかかる」という「習慣」が必要になってくるのです。

PDCAのサイクルをまわす

テーマに取り組んで望ましい結果をだすためには、PDCAのサイクルを確実にまわすことが重要であることは言うまでもないことです。PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(修正行動)の頭文字をとったものです。

最初に立てるプランはあくまでも仮説です。目標の大き方が違えば結果に至るプロセスも違ってきます。

当然、日々の行動計画が変わってきますプランを正しく実行し、検証し、次のアクションへ修正していくと言うPDCAのサイクルをまわすことで成果は確実に近づいてきます。

手帳を使ってPDCAをまわしていくことで、雑事に追われて仕事をした気分になっていた日々から卒業し、今何をなすべきか常に意識し、進捗を確認し、修正行動につなげていくことができます。

タイムマネジメント

時間の有効活用のポイントは、隙間時間の活用です。1日の中で、行う業務の目的と内容を事前に明確にして、隙間時間を狙って割り当てるように計画します。そして、その時間から獲得すべき目標をあらかじめ決めて取りかかることが何より重要です。

手帳を使って使える時間を見える化していくことはとても有効的な方法です。

時間あたりの計画があるから結果が確認でき、次の改善につなげることができます。
まさに時間活用のPDCAサイクルをまわしていくとも言えます。

優先順位

成果につながるプロセスをマネジメントするためには、「優先順位をつける」スキルも必須です。
計画をやり抜くため、「どのアクションを優先させるか」に焦点を当てます。

日々の現場の錯綜した状況下で、その行動を選択すれば全体最適になるかの判断基準を明確にします。
また、計画実行を阻害する突発事項や進捗の遅れにどう対処すべきかについても明らかにします。

手帳のTO DOリストなどを上手に活用し、かかる時間を検討・精査していくことで、その時々での最適の行動を選択したり、やり切ること・集中することができるようになります。

マルチタスク管理

多くの人は、公私共に同時に複数のテーマを抱えて生活しています。

例えば営業の仕事であれば、複数の顧客から受注して売り上げ、利益目標を達成しなければならないでしょう。また、企画スタッフの方は同時に複数のミッションの企画を検討・立案することを求められます。

納得する結果を出すためには、手帳のバーチカル機能などを使って全体の流れを見通しつつ、同時に進行する複数のテーマのプロセスをうまくマネジメントする必要があります。

手帳術について

オリジナル手帳「Will手帳」「パワーアップ手帳」は、これらの手帳術をベースに作られたセルフマネジメントツールです。

手帳術に関する詳細な内容は、松尾氏の書籍にてご紹介しています。
手帳術を詳しく知りたい方は、ぜひ見てみてくださいね。

夢を実現するセルフマネジメント力を高める手帳術
「パワーアップ手術」松尾正二郎著

【目次】
第1章.セルフマネジメントのための究極の手帳術
第2章.計画を立てて取りかかる習慣
第3章.複数のテーマを同時にマネジメントする
第4章.PDCAのサイクルをまわす
第5章.優先順位付けと時間の有効活用
第6章.人生を輝かせるパートナーとしての手帳へ

本書は優れた業績を上げたスーパースターの成功談ではありません。

いわば、普通のビジネスマン、普通の家庭人のためのセルフマネジメント術の話です。

ただし、普通の人が、目標達成に向けて、自分の能力を無理なく引き出して、バージョンアップして

夢を実現するための方法の話です。

パワーアップ手帳術 本文より